大塚家具は失敗すべくして、失敗している。

2015年から2016年のお家騒動でかなり話題となった大塚家具。
最近もうやばい!という情報をいろんな方面から聞くので、

本当にやばいの?何でそんな状態になったの?もう立て直せないの?という純粋な質問に対して、今回は考えてみたいと思います。

実際、大塚家具の現状はどうなっているの?

はい、現状を把握するために、まずは財務諸表、有価証券報告書を読みましょう。

大塚家具はビジネスモデルの確認から。詳しい情報は基本的に企業のHPのIR情報に載っているので、ますチェック。

すると、メーカーから商品を仕入れ、家具・インテリアを販売している、小売企業であることがわかります。

関連会社が一部、下取りや卸売りビジネスも手掛けているようですが、非連結子会社ですので、別のものとして考えるべきでしょう。

次に、P/L,B/Sを読みます。大塚家具は小売企業なので、月次の売上情報やコスト概要など詳細に開示しています。有価証券を見てもよいのですが、今回はホームページの業績ハイライトを確認してみましょう。

なんと、1998年からの全ての業績ハイライトを一ページに開示してくれています、助かりますね。今回は過去5カ年分のみ分析してみましょう。

お家騒動があって、創業者であった社長が解任され、新しい陣営で、新しいコンセプトでリニューアルされたのが、2015年。

しかし、2015年から2016年の成果は散々たる結果です。

売上高 前年比21%減

営業利益、当期純利益ともに黒字から大幅な赤字に転換、

2017年にはさらに売上が下がり、赤字額が1.5倍以上に広がります。

2016年と2017年の赤字額を補填しようとすると、2007年から10年間の間に挙げた利益が全部なくなりますね。。。

2015年、大塚家具が変えたこと

2015年、現大塚久美子社長は、株主から支持を得て、経営権を握り、業績を伸ばすために今までとは違う戦略をとろうとします。

そこで創業者の大塚勝久社長と真向対立となり、株主から支持を得た現大塚久美子社長が改革を実行します。

具体的な戦略とは、今までのメイン顧客であった富裕層ではなく、中流層も新しい顧客ターゲットとして新しい市場を開拓して、売り上げを伸ばす。そのために会員制度は廃止し、店舗を増やし、顧客との接点を増やすというものでした。

しかし、この戦略が完全に失敗でした。 ここまで、裏目に出るとは旧社長も思ってはいなかったでしょう。

負のスパイラルに陥ったプロセス

大塚家具は結局小売り、つまるところ、マーケティング、集客・プロモーションが企業の本質的な価値です。

大塚家具がとった戦略で最もよかったところは、マーケティングでいうところの「ポジショニング」でした。

マーケットリーダーがとれるコスト戦略は取らず、徹底的して富裕層のみを自社の顧客と定義し、会員制の仕組みを取り入れ、商売を行ってきました。大塚家具の商品は相場の3倍以上の値段で販売しています。それでも、一部の顧客のニーズにこたえ続けることで、利益を出してきました。

今の時代、もっと安くて、さらに性能もよい商品はたくさんあります。それでも、何とかぎりぎりのところで利益を出し、踏ん張れていたのは、この顧客層を守り続けてきたからだったのです。

しかし、顧客層が代わり、沢山の中流層も店舗に来るようになると、接客の質も落ち、真に守るべきであった既存顧客の富裕層が逃げ始めました。また中流層は店舗には来てもらえるようになったものの、結局、高い家具にそこまでの価値を見出さず、結局初めのうちは物珍しさで集客はできたかもしれないが、商品を買ってもらえない風になってしまったのです。

さらにこのような兆候が見えても、戦略を変えることなく、販売促進を推し進め、店舗を拡大したり、いろいろな制度を取り入れてはみるものの、結局、相場よりもめちゃくちゃ高い家具をなかなか中流層は手が出せず、効果なし。

逃がした富裕層の上顧客は帰ってこないまま。

結局、固定費のみ、膨れ上がり、赤字額がどんどんでかくなる。

今はやってはいけない最終手段の商品の値下げをし始めました。

2017年の赤字額とこの様子からすると、これは倒産または身売りしかないといわれるのも納得です。

失敗した本当の理由

失敗してしまった原因は沢山あります。確かに小売の機能しかもたない業態というのは今の時代かなり厳しいです。

経営陣が創業者のままであっても、大きな改革を行わなければ、ジリジリと利益は下がり続けていたことでしょう。

失敗した原因はいろいろあると思いますが、最もやってはいけなかったことは、テストをしていなかったことですね。ちゃんと利益がでるかテストマーケティングして、エビデンスをとって、事業を推進する。当たり前の話です。

利益が出るかもわからないに、大規模に投資しすぎです。

最も、中流層に富裕層向け商品を今のまま売れると思い込んで、自社の顧客層を変更するという打ち手も、センスが悪いと感じますが。。。

MaSaSiなら、、、こうしていた

私なら、以下の4つの打ち手を検討していたでしょう。

1.M&Aにより、メーカーを買収し、バリューチェーンを増やし、SPAモデルへの改革。

2.調査をしっかりと行い、爆発的に売れる新商品の企画、開発を進める。

3.価格帯による、異なった複数のブランドを立ち上げる。

富裕層離れを阻止する。中流層顧客を教育し、徐々に高価格帯の商品の購入に仕向ける。さらに、超富裕層向けVIPオーダーメイド制の商品も取りいれる。

4.非上場をし、会社の拡大せず、利益率を下げない経営に尽力する。

この手の小売の企業がこれから生き残っていくのが、非常に難しく、以上4つの手しか基本的にはないと思っています。

現社長人選に無理があったのでは?

現社長のバックグランドをみると、社長は一ツ橋大学経済→みずほ銀行→資産運用系コンサル会社という経歴を進んでいるようです。

つまり、お金に関することは得意かもしれないけれど、マーケティングについて、勉強し、顧客のことについて深く考え、実践して結果を出し、一つ一つ売り上げを生み上げていくという経験がなかったのだと思います。

それでは打ち手の良さも判断できないし、そもそもテストマーケティングをしないという、大きなポカをやらかしてしまう。

大塚家具は小売りなんですよ、つまり、マーケティング力が競争力の源泉。

元銀行マン、コンサルマンがパワポに絵を描いて、お金の計算だけしていても、本当に大切なことは目に見えないということです。

それで、この期におよんでも、まだ社長はわがままをいっているという。。。人としての器も全然ダメ、これほど大きな組織を導けるほど人としての魅力も、実際の能力も欠けていたのでしょう。

早く身売りを決めてくれれば、株価も持ち返すだろうに。

人の人選は本当に大切です。

以上、こちらの記事があなたのお役に立っていれば、幸いです!

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